逆カルチャーショックの対処・対策方法とは?留学後に日本に馴染めない
海外に留学すると、その文化の違いに戸惑ってしまったり、または、その新しい文化、環境の中にうまく馴染めない、いわゆるカルチャーショックが起こってしまうことがあります。
この反対、留学先の文化にすっかりと馴染んで、また、その文化が自分に合っていると感じている中で帰国して、以前は自分もここにいたはずなのに、日本(母国)の文化に馴染めなかったり、自分の居場所がないような感覚になったりするのが逆カルチャーショックです。
今回は、そんな逆カルチャーショックになってしまった時、または、逆カルチャーショックにならないために、どうしたらいいか?ということについてご紹介してゆきたいと思います。
目次
日本に馴染めない、浮いてしまう
逆カルチャーショックも単純に文化だけの違いであれば、それは時間が解決してくれることも往々にしてあります。
最初は、その文化や生活スタイル、人の考え方であったり、人間関係の距離感であったり・・・そういったことに戸惑いを感じてしまうこともあるかも知れません。
ただ、人には、環境に順応してゆく能力が元々、備わっていて、だから、最初は馴染めなくても、それは時間が解決してくれるということがあると思います。
ただ、逆カルチャーショックで本当の意味で悩む人は、そういった単純な文化や生活スタイルの違いだけに対して悩んでいるというよりは、今まで自分がいた環境とは全く違う考え方を持った人達の中に、自分が馴染めなかったり、浮いてしまっていると感じたり、または、孤独感、疎外感のようなものに悩まされていることの方が多いのではないかなと、思います。
そんな疎外感のようなものであったり、または、馴染めないと感じている時は、とても辛いものだと思います。
そんな時は何をどうしたらいいのでしょうか?
最初は無理に馴染もうとしなくていい
自分がどこか馴染めないなと感じた時、例えば、帰国して、学校や職場など集団の中で馴染めないなと感じた時、最初は無理に馴染もうとはしなくてもいいのかも知れません。
いきなり、これまでとは全く違う文化にやってきて(たとえ、それが母国であっても)、すぐに馴染める方が不自然だと思うのです。
勿論、留学した人達の中にもすぐに日本の暮らしに馴染んでいるように見える人もいるかも知れません。
ただ、みんな、やっぱりどこかで、何か違和感のようなものを感じる時があると思うのです。
僕自身もそうでした。
僕はカナダに1年間、アメリカに10年間の留学経験があります。
帰国してから、すぐに元のように話せるようになった友人もいましたし、やっぱり、どこか違和感を感じてしまう友人もいました。
それは集団という意味でもそうです。
すぐに馴染めた場所もあれば、以前は馴染んでいたはずなのに、帰国してからは馴染めないなと感じた場所もありました。
でも、それは、自分が変わることができたという証拠だと思うのです。
帰国して違和感を感じる・・・というのは、自分が成長した証拠だと思います。
だから、違和感を感じるのは、悪いことばかりではありません。
それは自分が成長した証拠なのですから。
少し話は変わりますが、カルチャーショックはそれほどなかったのに、逆カルチャーショックに悩まされてしまう・・ということもあるかも知れません。
カルチャーショックにならないのは、留学する先は、日本とは違うということをあらかじめ、心得ていたから・・かも知れません。
反対に逆カルチャーショックになってしまうのは、自分の母国だから・・という思いがあるから(馴染めて当たり前だという思いがあるから)、なのかも知れません。
こんな時、留学して帰国する場合は、自分は外国人なのだと考えてみてもいいかも知れません。
異国の文化やこれまでとは全く異なる考え方などなど・・を沢山吸収してきたわけで、もう考え方は外国人なわけです。
自分は外国人なのだと考えていれば、最初は馴染めなくて当然と、留学した時のように(新しい文化に飛び込んでいった時のように)思えるかも知れません。
そうやって、自分は母国に戻るんだという意識ではなくて、新しい文化に飛び込んでゆくんだという意識でいれば、最初から、早く馴染まないとだめだと自分にプレッシャーをかけずに済むかも知れません。
そうやって、自分の気持ちを楽にしながら、少しづつ、新しい文化(日本の文化)に馴染んでゆくのも、逆カルチャーショック対策になると思います。
馴染める馴染めないは、自分が出している波長に関係している
帰国した後、自分が馴染めていたはずの集団に馴染めないと感じたり、どこかの集団の中で自分だけが浮いているような感覚、疎外感のようなものを感じることもあるかも知れません。
そんな時は、先ほどのように、最初は馴染めなくても当たり前と考えて、気持ちを楽にしながら、少しづつ時間をかけて慣れてゆくことも大切なことかも知れません。
慣れは、回数と時間が大切です。
だから、最初は、馴染める、馴染めないという結果よりも、とにかく、回数と時間を増やしてゆくことに気持ちを向けてみます。
回数と時間を増やしてゆくと、自然と、慣れてゆく、馴染んでゆくということがあると思います。
ただ、それでも、馴染めない、それでも、自分だけが浮いているように思った時はどうしたらいいでしょうか?
実は、自分がその特定の集団の中で馴染めるかどうか・・というのは、自分が出している波長が関係しているようです。
人はみんなそれぞれに特定の波長を出しています。
みんな違っているのですが、自分と似たような波長を出している人もいます。
人は、その自分と似たような波長を出している人と一緒にいると、安心したり、快適だと感じます。
ただ、その波長が違えば、違和感を感じてしまいます。
集団も、似たような波長を持った人が集まっていたり(サークルなど)、または、その集団の中に、特定の波長が流れていることもあります(会社など)。
その波長が自分と合わない場合・・・自分がその集団の中で浮いているように感じたり、馴染めないと感じてしまうことがあるようです。
自分の波長といっても、それはその時々で変わってゆくもので、留学すれば、勿論ですが、波長も変わります。
その以前とは違った波長を持って帰国するので、帰国した後に、以前は馴染めていたはずの環境に馴染めない・・・ということが起こりうるわけです。
だから、時間と回数をかけているのに、なかなか、特定の集団の中に馴染めない・・ということも起こります。
ただ、日本全国どこにいってもそうなのか?
というとそうではないと思います。まず、日本には大勢の留学経験者がいます。
それらの人達がずっと日本に馴染めないでいるかというと、そうではありません。
ある特定の集団の中では、違和感を感じたとしても・・別の集団では、合っていると感じるということが必ずあるはずです。その自分の今の波長なりに。
だから、帰国して、特定の集団の中でどうしても馴染めない場合は、もっと他に自分が馴染める場所、自分の居場所があるということかも知れません。
もっとも、以前、留学する前の場所に馴染めるのが一番いいわけです。
そして、それは時間が解決してくれることも往々にしてあります。人は何かに慣れる力が備わっているものだし、波長も変わり続けてゆくものだからです。
ただ、それでも何をやってもどうしても馴染めないという時は、自分にはもっと合う場所があるということなのかも知れません。
そして、そういう自分に合う場所は、日本にも必ずあります。そして、それはこれまでの大勢の留学経験者達が証明してくれています。
留学に対する理解がない
帰国してきて、ある種の疎外感というか、(特に留学について)わかってもらえないような感覚になることも、一つの逆カルチャーショックなのかも知れません。
そんな時にはどうしたらいいでしょうか・・?
留学を終えて帰国して、その時の経験をシェアしたいだけなのに、その話をすると、わかってもらえなかったり、または、ひどい時には、自慢だと批判されてしまうこともあるかも・・知れません。
留学というのは、多くの人にとっては、ハードルが高いもので、また、多くの人にとっては未知のものだと思います。
人は、知らないことに対して、ある種の怖さのようなものを感じることがあって、そんな時、身構えてしまう人もいます。
だから、相手がそんな風にして身構えているような場合は、わかってもらえないと感じてしまうこともあるかも知れません。
それはただ、自分の問題として捉えるのではなくて、(相手が持っている)知らないものへの怖さなのかも知れないなと考えてみてもいいかも知れません。
留学に対する理解がないと感じて寂しくなった時は、そんな風に考えてみると、楽になれることがあると思います。
また、例えば、就職活動の際や、または職場で、留学に対する理解がないと思った時、自分がやってきたことは一体何だったのかと思ってしまう人もいます。
留学を遊んできたように言われてしまったり、仕事には役に立たないと否定されてしまったり・・そんなこともあるかも知れません。
ただ、そうではないわけです。
役に立たないなんてことはないわけです。
留学生活というのは、簡単なことではないし、海外で、全く知らない文化、環境の中でやってきたことは、これからの自分に必ず、生きてきます。
留学したからこそ、留学経験がある自分だからこそ、できることがあるはずです。
「郷に入れば郷に従え」
という言葉があります。
その土地やその環境に入ったならば、そこでの習慣ややり方に従った方がいい・・・という意味です。
それは大事なことなのだと思います。
留学した時に、海外のやり方に慣れようとしたように。帰国した時は、自分は外国人なのだと思って、自分のために、日本のやり方に慣れようとしてみることは大事なことだと思います。
ただ、それは、留学した経験を忘れてしまうということではないわけです。
海外の人が日本に来て、仕事などで大活躍をされることがあります。
その方々も、「郷に入れば郷に従え」を大事にしながら、つまり、日本のことも尊重しながら、自分にしかできないことをやったからこそ、成功されたのだと思います。
新しい環境の2つの見方
最後に、もう一つ、具体的な逆カルチャーショックの対処方法、対策について書いてみたいと思います。
留学した先もそうだったはずだと思いますが、どの環境であっても、必ず、いいところとそうではないところがあるものだと思います。
全部いい・・なんてことはないわけで、いいところがあれば、足りないところもあるものだと思います。
だけど、大事なのは、どちらを見ようとするか?ということだと思います。
僕の知人に、日本を含めて、色々な国で生活してきた、Kさんという人がいます。
Kさんは、その場所でカルチャーショックであったり、馴染めないことに苦しまないために、心がけていることがあるのだそうです。
それは何かというと、「できるだけ、その環境のいいところを見ようとすること」・・・だそうです。
日本に帰国した時も、海外にはあったのに、日本にはないものを見ようとすると、気持ちは後ろ向きになってしまいます。
そうではなくて、海外にはなくて、日本にあるものであったり、日本という新しい環境のいいところを見ようとすれば、気持ちは少しづつ前向きになれます。
そんな風に、新しい環境のどちらを見るか?ということを意識することも、一つの逆カルチャーショック対策になると思います。